1997年
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bullet今年最後のセーリングのはずが、無風、観測塔の辺りで艇の掃除をして過ごした

1997年12月20日(土曜日)

ワイフと二人で志賀ヨットクラブへ出かけました。今年最後のセーリングです。昨日から天候は穏やかで、今日も晴れ時々曇りで風は無さそうです。

いつものとおりの電車で、尼崎で新快速、京都で湖西線に乗り換え、和邇駅に9時15分着。
打見山・蓬莱山にも雪は無く、12月下旬だというのにちっとも寒くありません。
今日は、ボートフックを持ってきました。使用する前にボートフックの手尻にロープを付けて、間違ってヨットの外に落としてもロープで艇に結んでおいて失う事の無いようにしたいのですが、ボーフックにロープを結び付ける方法が見つかりません。細いロープを通す穴をドリルで開けるしかなさそうです。

9時35分、志賀ヨットクラブに着きました。メンバーの姿はなく、スタッフが2人だけ。艇はすでに降ろされてハーバー内の桟橋に舫われていました。
風はほとんど無く、湖面には朝霧が残っていて沖の観測塔も見えません。しかし、上空の雲は非常に薄く、その雲を透して太陽がうっすらと円い月のように見えています。

今日のセーリング計画は、沖島往復、最終帰港時間は15時30分と届けました。9時45分、出港。

風は全くありません。湖面には皺さえもありません。エリの外に出てしばらく機走した後、とりあえずメインセールもジブも揚げて、何時でもセーリングを始められる準備をしておこうと言うことになりました。このところデッキ作業に慣れるためにワイフがジブのセット作業を行っていましたので、今日は久しぶりに私がジブをセットしてみことにしました。タックから順番にジブのピークへ向かってハンクスを止めていきましたが、最後のピークに一番近いハンクスをフォアステイに取り付けようとしていたら、ビス(プラスチックのハンクスをジブのラフに固定するためのビス)が緩んでいて手の中にぼろりと落ちてきました。手の中でラッキーでした。その前に脱落していたらハンクスもビスも水の中に落ちて失うところでした。すぐにコクピットのワイフに道具箱からドライバーを取り出してもらい、止め直して事無きを得ました。他のビスを点検しましたが緩んでいる物はありませんでした。
これからは、出港前にハンクスを止めているビスの緩みを確認する必要があります。

風は北東から僅かに空気が動いているのが感じられるという殆ど無いと言うのに近い状態なのですが、波が全く無いので、軽量でフラットな船底のBUDDYは何とか舵が利く程度には動いています。しかし、いつまでたっても風が出てきそうにはありません。ジェネカーを使いたいのですが、もっと沖まで出ない事にはフリーでのセーリングエリアが取れません。そこで機走で観測塔の近くまで出る事にしました。
ワイフに舵を任せましたが、靄っていて進行方向に視認できる目標物がありません。そのため艇をまっすぐに進める事が出来ません。今日は南東の低い位置の太陽を目標物にして艇を進める事ができますが、雲があって太陽も見えない場合はやはり、コンパスに頼る事になります。バルクヘッドか、コクピット内に視認性の良いコンパスを設置する必要があります。

観測塔の近くまで来たところでエンジンを止めましたが、風は相変わらず殆どありません。そこで、ジェネカーを揚げて風を拾ってみる事にしました。ジェネカーを揚げると、とても走るとは言えませんがゆっくり歩くと言う程度には進み始めました。しかしこの程度の風も時折来るだけで、大半の時間はジェネカーでさえだらりと垂れ下がったままという状態です。

仕方が無いのでセールを降ろしてし、艇はドリフトさせたまま、早めの昼食を摂る事にしました。天気は良くなって、太陽も覗くようになりました。風が無いのでぽかぽかと暖かく、ゆっくり時間を掛けて食事をしました。風は一向に吹いてきません。鏡のような湖面が相変わらず四方に広がっています。食事の後は艇を掃除することになりました。

この夏に、コンパウンドとワックスを買っていたので、そのコンパウンドを使って多少汚れの目立つ部分を磨いてやる事にしました。このコンパウンドは表面を磨くだけでなく界面活性剤と汚れ取りの成分が混ぜてあるので、汚れた個所に塗り広げてから拭き取るだけでその部分が綺麗になります。しばらく作業を続けると、コンパニオンウェイとその上のハッチとコクピット周りが見違えるほど白くなりました。調子に乗ってバウデッキの周りもすべてこれで拭き掃除する事にしました。14時半までかかって、デッキ周りの汚れをすべて拭き取り、BUDDYは見違えるほど綺麗になりました。

この間、3時間ほど風に任せて漂っていたのに、観測塔の周りを南東から北へと反時計回りに120度ほど回っただけでした。
その場でセールの後片付けをしてブームカバーも掛けて帰港する事にしました。

15時30分、帰港。
15時50分、ヨットクラブを後にしました。駅前のスーパーで食料を調達して、和邇駅のホームでちょっと早めの夕食。16時29分発の電車に乗り、堅田で姫路行きの新快速に乗り換えて帰りました。

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bullet修理の済んだメインセールのテスト

1997年12月6日(土曜日)

前回が11月2日(日曜日)でしたから1ヶ月ぶりのセーリングです。ワイフの都合が悪かったり、天気が悪かったりでなかなか出かける機会を掴めませんでした。

その間に、舵社の通販で、寝袋2セット、ボートフック等を購入しました。ボートフックは、先端のフック部分を取り換えればモップとブラシにも使えるというものです。
また、YAMAHAに依頼していたメインセールのバテンポケットの修理と、2ポイントリーフ用クリングルの新規取付補修が完了しました。今日は、これらをBUDDYに積み込み、メインセールの2ポイントリーフの運用確認も予定しています。

週の初めの天気予報では、金曜日から崩れて土曜、日曜と雨の予報だったのですが、昨日の予報では今日の日中は晴れで夜遅くから明朝にかけて天気が崩れるとのことでした。東西に長い移動性高気圧が通り過ぎるところです。風は弱いかもしれません。

天気予報のとおり朝から快晴で風も無く、朝方はしっかり冷え込んで尼崎でも霜が降りていました。
いつものとおりJR塚口駅7時52分発の電車に乗って、尼崎で新快速に乗換えようとしましたが先頭車両が超満員だったので、この列車を見送りました。ところが中間の車両を見るとそれほど混み合ってはおらず先頭車両に乗ろうとしたのが失敗でした。次の新快速は8時27分発、大阪からはゆっくり座って京都まで、京都での湖西線乗り換えは10分ほどの発車待ちで、結局和邇駅への到着は9時45分になりました。

京都駅までは快晴だったのですが、山科の辺りから山の裾野まで濃い霧に覆われるようになりました。琵琶湖が望める西大津辺りも霧で、対岸は見えず太陽も見えません。和邇に着いたところ、比良山脈の上半分はすっかりガスの中で見えず、中腹の所々にわずかに明るい場所が見える程度です。しかし、徐々に明るくなってくる気配です。風が無いので今は霧の中に閉じ込められたようですが、気温が上がりさえすれば直ぐに霧が晴れて快晴になるでしょう。

10時5分、志賀ヨットクラブに着きました。艇の整備をしている人が3人ほど見えるだけで、桟橋で出港の準備をしている艇はありません。ヤマハから届いていた修理済みのメインセールを受け取って、早速艇を降ろしてもらうことにしました。コクピットの日陰には水曜日から木曜日にかけて降った雪がまだ少し残っていました。蓬莱山の中腹から上では所々に雪で白くなった斜面が見えます。コクピットの足元が雪で濡れているので長靴を履くことにしました。
燃料タンクを繋いで早速船外機の始動を試みました。エンジンが冷え切っているので一度では掛かりませんでした。アクセルレバーを上げて空ぶかし状態にして、数回起動を試みてやっと掛かりました。しかし直ぐにアクセルレバーを戻したらエンジン音が温和しくなって結局ストップしてしまいました。再度始動して、今度はアクセルレバーを上げて空ぶかし時間を長くしてから戻したところ、安定したアイドリング状態に落ち着きました。

10時20分、出港。今日の予定は、観測塔辺りで修理を終えたメインセールの運用テスト、15時30分帰港予定です。
機走のまま少し沖に出てからメインセールのラフをマスト側のカーに取付けフットをブームのグルーブに通してセットしました。修理したバテンポケットは2番から4番までのリーチ側が分厚く補強してありました。バテンを差し込むのにかなり力が要りますがこの頑丈さならバテンの角でポケットが切れることはないでしょう。
次に2ポイントリーフのテストです。現在の1ポイントリーフ用の端末用アイとリーフロープを使って試してみることにしました。1ポイントリーフ用のアイとブロックではその位置が後ろ過ぎるのでリーチを十分に下向きに引くことはできませんが、ほぼ希望していた感じになっています。2ポイントリーフ用のアイの位置とブロックの位置を検討できるようデジタルカメラで、その状態を写しておきました。この位置を参考にして、ブーム下部に2ポイントリーフ用のロープ端末とリード用のブロックを止める工夫をしようと思います。現在の案は、既存のメインシート用のアイ、1ポイントリーフ用のアイ、ブームエンドのアイの間に6mmØロープを張って、そのロープの中間に耳を出し、そこにリーフロープの端を結びブロックを結ぶというものです。

2ポイントリーフのクリュー側
2ポイントリーフのクリュー側

ここまで点検して、メインセールをフルに揚げ、ジブもセットしてセーリングに移りました。風は北東ですが、非常に弱いのでゆっくりと歩くようなスピードです。観測塔を目指して進みます。11時ころにはすっかり霧も晴れて、晴天になりました。日差しが暖かです。

晴れ渡った比良の山並み
晴れ渡った比良の山並み

早目に昼食にしました。
昼食の後は、雪解けの水溜りで汚れていたコクピット周りを洗い流して掃除することになりました。暖かい長靴をはいているので水仕事が苦になりません。琵琶湖の水は冬になってすっかり綺麗になり、バケツに汲んだ水が澄み切っています。
べた凪で湖面が鏡のようです。仕方が無いので東に向けて少し機走してみました。そのうちに水面の所々に縮緬皺が見え始めたので、ジブをジェネカーに換えて帆走することにしました。左舷側にジェネカー用のセール袋をセットし、シートを捌いてクリューにセットします。トップにハリヤード、タックには伸ばしたジェネカーポールの先のタックロープをセットします。予めタックを引いてクリート、シートは中間まで引いていつでもコントロールできるように手元に寄せておきます。ジェネカーを揚げる準備が調いました。ごく弱い東からの風です。艇を北に向けスタボータックのアビーム状態にし、一気にハリヤードを引きました。ジェネカーは弱い風をはらんで何とか膨らみ、艇が動き始めました。

北に向かうと徐々に湖岸に近づきます。すると風は弱まって北へ西へと回って行きました。風に合わせてコースは西へ南へと変わっています。暫くすると観測塔を後ろに南下しています。そのうちに風は弱まって、次に吹き出した時には北東に変わっていました。
高気圧に覆われ天気が良いので、風は弱く風向が定まりません。風向の定まらない弱い風に合わせて、ジェネカーでのジャイブを試みます。ワイフにティラーを任せ、一気にジャイブし同時にジェネカーのシートを思い切りよく引き込むとフォアステイの向うでジェネカーが自然に返ります。上手く行きました。一気にシートを引いてジェネカーを返すのがコツのようです。何度かトライしました。風が弱いので、思い切って操作できるので毎回成功しました。

風にジェネカーを合わせて長命寺方向を目指そうとしますが、風が東北東になりマイアミ浜あたりまでしか向かえません。そこで再びジャイブしてみても湖西の湖岸を目指すことになってしまいます。この風向ではジェネカーで長命寺方向を目指すのは無理でした。そこで思い切りジェネカーシートを引き込んで大きなジェノアのように扱ってみました。90度よりは上に(80度位か?)何とか上っているようです。風が少し出てきたので、ジェネカーでの走りががとても具合が良い。長命寺方向に向かうのは放棄して、風に合わせてジェネカーでの走りを楽しむことにしました。

14時30分ころ、艇の位置がかなり南に下がっているので、クローズホールドで上って志賀ヨットクラブへ向かえるよう、ジェネカーからジブに交換することにしました。風に立てるように艇を回しながらハリヤードを緩め、一気にシートを引き込み下手に流れながら落ちてくるジェネカーを両手で腕の中に巻き込むようにして丸めながら引き降ろしました。うまく回収できました。完全に引き降ろしたところで、セール袋にジェネカーの真ん中から丸めるように押し込んで行きます。タック、クリュー、トップを残してジェネカーが袋に収まります。そこで、ジブを上げ、クローズホールドの帆走に移りました。走りながら、ジェネカーの袋の始末、ジェネカーポールの収納、ジェネカーシートをコイルして収納、ハリヤードをバウパルピットのアイに固定などの作業を行いました。

15時丁度、風が再び落ちたのでセールを降ろし、機走で帰ることにしました。メインセールをブーム上に畳みカバーをかけ、ジブセールも畳みました。帰り支度を全て終えて、15時20分帰港。

上架して貰ってから、燃料タンクなどの後始末をして、15時50分に志賀ヨットクラブを後にしました。
和邇駅16時29分発の電車で帰りました。

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bullet快晴ベタ凪、機走で多景島往復

1997年11月2日(日曜日)

今日もワイフと二人でセーリングに出かけます。うっかりして昨日志賀ヨットクラブへ予約を入れるのを忘れていたので、自宅にいる娘に8時半から9時の間に何時ものようにBUUDYに乗りに行く旨電話を入れてくれるよう頼んでおきました。
天気は快晴。朝方は冷えていましたが昼には20度近くになりそうです。

志賀ヨットクラブに到着すると、BUDDYは既に沖の桟橋の先に舫ってありました。YAMAHAの堀江さんから届いていたバテンを受け取り、荷物を整理して出航の準備をします。バテンを2番のポケットに入れようとポケットの周辺を良く見たところ、バテンポケットのエンド側の布地が割れたように綺麗に切れていてそこからバテンが飛び出して失われたようです。先日バテンが無くなった事に気が付いて補充の注文をした時には、このことに気が付きませんでした。このままでは、バテンを入れても意味がありません。そこで、臨時にセールのリーチ側の折り返しをポケットのエンドに代用して差し込めるようにステッチを少し切り、そこをバテンのエンド側のポケットにしました。
このままではセールクロスが再び切れる可能性があるので、メインセールを修理に出してバテンポケットの補強をする必要があります。その時に、新規に2ポイントリーフ用のクリングル取付加工も依頼すれば都合が良い。

今日の予定は、何時ものとおり沖島周回、15時30分帰港です。
9時55分、出港。桟橋からエリの外までは機走で出ます。エンジンをスローにして、セールを揚げに掛かります。毎度のことなのですがメインセールのカーの滑りが悪くて何度も途中で引っかかりすんなりと揚がってくれません。スムーズに動くようなカーに換えるかあるいは滑りを良くする必要があります。今日は今まで通り防錆潤滑剤のCRC556を吹き付けてみました。これで一時は滑りが良くなるのですが、効果は一時的です。フッソ系の潤滑剤の評判が良いようなので一度それを試して見たいと思います。

風は北東の微風。スタボータックで北を目指します。風を探して何回かタックしてみたものの、11時になっても観測塔にも達しません。早目の昼食にしました。ますます風は落ちて湖面は鏡のようになってきました。諦めて機走に切り替えます。セールを降ろして、センターボードも上げ、風を求めてフルスロットルで北東を目指します。

ワイフは何時ものようにお昼寝タイム。沖島の向こうに小さく多景島が見えるようになりました。四方を見渡しても鏡のような湖面が広がるだけで風の気配はありません。そこでどうせ暫くは機走なので、目的地を多景島に変えることにしました。艇速はフルスロットルで11km/s位出ています。
大雑把に見積もって多景島まで20km、2時間走って多景島を回り、そこから2時間半で志賀ヨットクラブに帰港と目論みました。湖面は鏡のような状態が南から北まで続いています。沖島の北端を東に躱したころ、沖の白石も見えてきました。
走りながら彦根の近くの湖岸や市街を双眼鏡で眺めました。西側には小型艇2艇が先行していて沖の白石に近づきつつあります。多景島はだんだん大きく見えてはきますが、思っていたより時間がかかりそうな気配です。13時30分、まだかなりあります。双眼鏡で見ながら後20分くらいと思ったのですが結局多景島を周回したのは14時15分になっていました。
西側から時計周りに回りました。東側の桟橋には観光船が着き、島のあちこちに観光客の姿が見えます。帰港予定時刻は15時30分と告げていましたが、大幅に遅れそうです。機帆走にすれば多少スピードアップになるだろうかと試してみることにしました。セールを上げて、ごく弱い西の風と機走による見かけの風でセールのトリムはぎりぎりに引き込んだスタボータックのクローズホールド。体重を利用してポート側にヒールさせたところ、スピードがわずかですがアップしました。
この状態で何とか17時前に志賀ヨットクラブに帰れそうです。沖島を躱したところで、燃料タンクが空になったので、予備の燃料タンクに切り替えました。

観測塔を躱すところで、機走の小型セーリングクルーザーが南から近づいてきます。衝突コースなのにどんどん近づいてきます。おかしいなと思っていたところ、その艇がBUUDYと全く同じジャヌーのSUNFAST20だということに気が付きました。併走しながら話をしたところ、その艇の名前は「うみの子」。蓬莱浜の琵琶湖セーリングセンターに所属のようです。先日一度出会ったことのある艇です。その時は強風で「うみの子」は長命寺港に避難したとのことでした。挨拶を交わして、真っ直ぐに志賀ヨットクラブへ。

デッキもセールもすっかり片付けて、16時44分、志賀ヨットクラブの桟橋を目の前にしたところで山の端に日が沈みました。16時50分着桟。

ハーバーマスターの薮さんに帰港が遅れた詫びを言い、多景島を回ってきたことを告げると、「彦根の沖まで良く往復出来ましたね」とびっくりしていました。
フェンダーと舫いロープはそのままでハッチに施錠して、後はスタッフに任せて私達はすぐにヨットクラブを後にしました。

機走だけで何も体を動かしていないのに、お腹はとても空いています。そこで、駅前のスーパーでお寿司を買って、和邇駅のホームで頬ばりました。

いつもより1時間半ほど遅く、20時に帰宅しました。

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bullet昼過ぎから強風大荒れで、予定より1時間早く逃げ帰った

1997年10月25日(土曜日)

今日もいつもどおりワイフと二人で琵琶湖へ出かけました。
JR塚口駅7時52分発の電車で、尼崎で新快速に乗換え、京都で湖西線の各駅停車に乗り込んだところハイキングや山歩きの人で大混雑。堅田まで立ったままで通勤ラッシュの列車のようでした。

BUDDYはいつものとおり浜側の桟橋の先端にすでに舫ってありました。ヤマハに注文したバテンのが届いていないか確認したところ、昨日ヤマハの堀江氏から宅配便で送付するとの電話があったがまだ届いていないとのことでした。
ハーバーマスターの藪さんによると「昼ごろから夜に掛けて強い寒冷前線が通過するので、昼頃には北ないし北西の風が強くなり、雨は多分ないでしょう」とのことでした。10時前の今の時間帯では半袖シャツ1枚でちょうど良く感じる陽気です。
セーリングの準備作業を始めます。燃料タンクは艇を降ろす時にすでにスタッフの手でセットしてありました。ワイフの身支度が済んだところで、舫いを解いて10時丁度に出港。
ここの所、志賀沖観測塔から長命寺港、菖蒲浜沖、佐波江浜沖など南側のエリアに向かうことが多かったので、今日は、湖岸寄りを北に辿って近江舞子沖から白髭沖方面へ向かってみることにしました。
風は程良い東の風。この風は午後は北に回るということなので、行きはクローズホールド、帰りはフリーになります。

エリの外へ出たところで、さっそくセールを揚げます。ワイフがバウに出てジブをセット、私がメインセールの準備。レイジージャックの高さを調節して、バックステイからブームエンドを支えているブームハンガーを外します。これで、セールを揚げる準備完了。ワイフがヘルムを取り、私がハリヤードを引いて一気にメインセールを揚げます。直ぐにジブも上げて、クローズホールドにトリム。セーリング開始です。私は続いてエンジンを止め、船外機のチルトアップします。

周りにはセールの影もボートの姿も見えません。空は青空で、所々に小さな薄い雲が出ているだけす。思っていたよりもずっと良い天気です。朝の天気予報では、夜から冬型の気圧配置になり、木枯らしが吹くかもしれないということでしたが、日差しを受けていると暖かくて、とても木枯らしが吹きだす季節とは思えません。

日差しを受けていると暖かく

11時過ぎには近江舞子の浜を過ぎて、北小松の沖合いにやってきました。ここまでは風が順調で、ほんの一時ですが11.5km/hが出た時もあったくらいです。波が小さく風が安定しているのでヒールも一定で艇速が上がり快適そのものです。
ところが、この辺りでばったりと風が止まってしまいました。艇の周りにカモメやカモなどの冬鳥が舞い降りて群れているような具合で、湖面にも風が来る様子が見えません。そこで早めの食事をすることになりました。セールを上げたままだと、艇が波にゆれるたびにバタバタと五月蠅いので、ジブもメンも降ろして艇をドリフトさせながら食事をしました。今日お昼は持参したヤキソバとボイルしたウィンナソーセージにご飯にデザートの葡萄と柿です。
快晴の上に風が無いんで暑いくらいです。この夏は台風などで雨が多く琵琶湖の水位がそれほど下がらず、さらにこの1ヶ月ほとんど雨が降っいないこともあって、水が綺麗に澄んできています。ヨットの周りを泳ぐカモメを見ながらゆっくりと食事をしました。

12時前に再度セールを揚げる作業に掛かります

12時前に再度セールを揚げてセーリング再開。風は微かに吹き始めたものの、北かとおもうと南へ回ったり、東へ回ったり大きく振れ回ります。仕方がないので安定した風を求めて機帆走で北東を目指します。ワイフは横になって昼寝です。

暫くすると湖面のあちこちに弱い吹き降ろしの風紋が出来てきました。そこでエンジンを止めて再びセーリングへ。それから5分ほどで、北から黒い波の線と、その向うには白波の立つ水面が迫ってくるのが見えました。昼寝しているワイフを起こして、強風への準備に入りました。デッキの上出したままの小物等を片付けて、ウィンドブレーカーを着て風を待ちます。白髭の沖合いから沖島を結んだ黒い線がこちらに迫ってきます。しばらくは、フルセールで様子を見ることにしました。風の前縁がやってきました。スタボータックで風を受けました。ほぼ北からの風です。吹き降ろすような強い息のある風が、しばらくは北を中心に北西へ北東へと大きく振れていました。藪さんが言っていた寒冷前線通過の前縁の風のようです。この風はどんどん強まると判断しました。

今の風の様子を見ているとかなりの強風になりそうです。早めに帰港のコースを取った方が良さそうです。そこでこの風の前縁に押されるようにして、志賀ヨットクラブを目指しました。クローズリーチに落として岸寄りを目指します。しかし湖岸に近くなると、風はまが届いていないので微風域に入ってしまいます。ポートタックを変えて、沖合いの風のある方を目指します。比良の山陰を出ると途端に白波と強風の水面になります。しばらくポートタックの追手で走るっていましたが風がますます強くなってきました。ブローが来るとリーチングでも大きくヒールしてウエザーヘルムが一気に強くなります。
急いでリーフすることにしました。吹き出しの前縁の風は大きく息をしてて強弱が激しいので、風に立て気味にしてもメインセールが大きくシバーし、その度に艇は大きくヒールします。揺れるデッキでの作業が結構大変です。リーチ側のリーフラインがメインセールが強くシバーするとブームエンドのクラムクリートから外れてしまいます。クラムクリートから外れないようにそのリーフロープの端をブーム下のレイジージャックのアイに仮止めしました。やはりブーム下にリーフロープのエンドを仮止めするようなスモールサイズのクリートを付ける必要があります。今度ヤマハの堀江氏に相談しよう。そんな事を考えながら、リーフ作業は完了。

リーフすると安定して走れるようになりました。艇はフリーで南に向かっています。風の前縁はすでに艇を大きく追い越して遙か南です。直ぐに南方向も見渡す限りが風域に入ってしまったようです。風は北で安定し、湖岸まで白波になり、波の方向は湖岸とほぼ平行に北東から南西へと押し寄せる感じです。
風はますます強まり、波も大きくなってきて、段々艇を安定して走らせるのに苦労するようになってきました。ブローの時のティラーに掛かる力もかなり大きくなってきてワイフの腕力では耐えられなくなってきたようですし、メインシートを緩めて風を抜いてやらなければならない時も出てくるようになりました。
早めにジブも降ろして、リーフのメインだけにしたほうが良いかもしれません。
湖岸から余り離れたくないので再びタックを変えて、西を目指して進みます。湖岸近くも吹き降ろしの風が強く、北から南へ大きな白波が立っているのが見えます。観測塔の北西を通過するあたりで、かなり早めなのですがこのまま一気に帰港することに決めました。すぐに艇を風に立ててジブを降ろす作業に入りました。ワイフがティラーを持ち風に立ててメインを僅かにシバーさせながら、私がバウ出でて大急ぎでジブを降ろしました。ワイフがジブハリヤードを上手く捌いてくれたので一気に卸せました。手を離すとジブが再び一気に揚がってしまうので、雑索でバウパルピットにしっかりと縛りつけました。
ジブを降ろしてリーフしたメインだけになると、艇が一気に安定しました。安心して操船できます。艇のスピードも、ヒールが安定したからでしょう、ほとんど同じような感じです。
湖面全体が大荒れの状態になってきました。ほとんどアビームの状態で走る艇にブローが来ると、ヒールが大きくなり一気にウェザーヘルムが強くなります。それに逆らってティラーを引いていると、そのブローの後にぐんとスピードが上がるのが分かります。見掛けの風がかなり前に回り、波を越す時にスプレーが上がるとコクピットに飛び込んできます。
西の比良の山並みから青柳浜辺り掛けて風の通り道があるのか、もうすぐ志賀ヨットクラブの沖に来るという辺りで強い北風に出会いました。風下に障害物を背負いたくないので、エリまではまだかなりスペースのある此処でメインセールを降ろすことにしました。風の息が弱まったところを見計らって、ワイフのヘルムで風に立て、私がマストの前に出て一気にメインを降ろしました。降ろしたセールを大急ぎでブームの上に纏めて雑索で固定します。船外機を降ろして、スターターロープを引いてエンジン始動。一発で掛かって一安心です。あとはフルスロットルで志賀ヨットクラブを目指しました。北風を真横から受けるので、セール無しでもかなりヒールします。北からの波に乗ったり、谷に落ちたりして大きくローリングしながら、桟橋を目指します。出港時の計画より1時間ほど早く、14時30分頃の入港になりそうです。
予定時刻より早い入港なので、志賀ヨットクラブのゲートが開いていない場合には、浜の桟橋の風下側に着けることをワイフと確認し、私がヘルムを取り、ワイフはバウの舫いロープを持って素早く桟橋に上がりピットに仮舫いし急いで私が持つスターンの舫いを受け取ることなどを確認。
桟橋に近づいたところで、スタッフがBUDDYの早い帰港に気が付いてゲートを開けてくれました。港内に入ると風は嘘のように穏やかです。それでも風は相当強く、陸置き艇のリギンがヒューヒューと鳴っているのが聞こえます。
すぐに上架した艇は、ハーバーマスターの藪さんが「セールやフィッティングの整理作業には、風をスターンから受けるよりバウからの方がやり易いから」と、ホイストの北側にバウを北に向けて船台を置いてくれました。
そこでデッキの後始末をして、いつもより1時間早く帰路に就きました。

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bullet長命寺港往復

1997年10月11日(土曜日)

昨日、志賀ヨットクラブに電話して出かける旨伝えておきました。
いつものとおりJR塚口駅7時52分の電車に乗り、大阪で新快速に乗り換え、京都で湖西線に乗り換え、和邇駅9時15分過ぎ着。
ヨットクラブまでの途中の国道沿いの店で、昼食の食料品の追加として缶詰と飲み物を買いました。

クラブに到着すると、BUDDYはスタッフの藪さんがすでに浜側の桟橋に着けてくれていて燃料タンクもセットされていました。後はセールをセットすればいつでも走れる状態です。
朝方には寒冷前線が通過してしまったので、午前中は曇り午後は時々晴れの状態で大きくは変わらない模様です。風はそこそこ吹いていて快適にセーリングできそうです。

エリの外に出て少し距離を置いたところで、艇を風に立てワイフがジブをセット、私はメインセールをセットしました。一気にセールを揚げてセーリング開始。
東南東の風で長命寺方向がほぼ真上りのコースになります。しばらくタッキングを重ねて南東にコースを取ります。フルセールのクローズホールが快適です。風がこれより強くなると、バラストの少ないこのBUDDYではヒールが大きくなってリーフが必要になります。面白いようにクローズホールドで艇速が上がります。ワイフと替り番にティラーを握ります。

長命寺の手前、佐波江辺りでセーリングボードのレースをやっていました。50艇ぐらいは参加していそうだ。風が良いのでかなりのスピードで走っています。長命寺港まで一気に進んで、11時30分に港外に着きました。リーフして艇のコントロールをし易くしてから、港口から港内を除いてみた。かなりの広さがあり、整備されていてなかなかよさそうな港です。港口の左手がヨット用の岸壁になっているようです。

艇を返してジブを降ろし、リーフのメインだけでアビームで走りながら昼食にしました。ゆっくり食事を摂った後は、再びメインセールをフルに戻し、ジブも上げて北東寄りに変わった風を受けて北向けにコースを取りました。観測塔の北まで来たところで、今度はコースを南に取ってポートタックのリーチング。観測塔から大きく南に下がったところでジャイブして、コースを北西に。湖岸に近づき、15時ごろに志賀ヨットクラブへ向かいます。15時10分、セールを降ろし、15時20分、機走でヨットクラブ帰着。

和邇駅16時29分発の電車に乗り、堅田で姫路行き新快速にのりかえ、18時10分帰宅。

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bulletBUDDYと同じジャヌーSunFast20に出会った

1997年9月13日(土曜日)

台風19号が九州から四国への上陸コースにあって15日頃接近の様子ですが、近畿にはまだ殆ど影響がありません。今日もワイフと二人で予定どおり志賀ヨットクラブへ出かけることにしました。天気は晴れ。

9月1日からJRのダイヤが改正になっています。塚口駅7時52分発の電車だと尼崎での新快速接続が少し遅くなって、湖西線の和邇駅への到着が10分ほど遅くなりました。
志賀ヨットクラブに9時45分到着。3連休の初日なので、いつもの土曜日よりは賑わっています。早くに出港した艇もあるかもしれないが、出港の準備をしているのは二組。

ヨットクラブ周辺では東の程よい風が吹いています。沖合いではもう少し強くなるでしょう。艇は既に浜側の桟橋に舫われていました。エリの外に出て、セールを上げる準備をしていると1艇のヨットが近づいてきました。良く見るとBUDDYVと同じジャヌーのSunFast20です。声を掛け合って挨拶をしました。先方の艇は乗員4人で全員ライフジャケットを着用し、これからセーリングの練習と言うような雰囲気です。

風は北東ですが非常に弱いので、とりあえず北東方向を目指してクローズホールドの真上りでタッキングを続けます。風が東に振れて少し強くなってきたのでタックを変えて艇を南南東に向けました。先ほどのSunFast20と同じコースになりました。BUDDYの方が艇速があるのか徐々に追いついて行きます。ほとんど追い越しそうになるところで、タックを変えて東を目指すことにしました。このころから風が急速に強まってきて艇速が上がってきました。北から北東方向の沖島の辺りでは白波が立っている様子です。その湖面と風の様子を見ていると一層強まりそうなので、早めにリーフすることにしました。早速艇を北に向け、レイジージャックを生かして一気にメインハリヤードを緩めリーフ作業に掛かりました。レイジージャックを付けてからは、ハリヤードを緩めてもブームが水平位置に保たれるのでリーフ作業がとても樂になりました。このリーフ方式に慣れてきて、最近では急がずに15〜20秒程度でリーフを完了するようになりました。
リーフすると艇が安定して艇のコントロールが容易になります。ヒール角度が少なくなり、ウェザーヘルムも減り、艇速もほとんどロスが無く、却って艇速が上がるように思える時もあります。先ほどの同型艇は、フルセールで走っていますが、ヒールが大きいのかあるいはセールの風を逃がしているのか艇速が上がりません。同じコース(長命寺方向)なので、こちらが追いつき追い越すのが良く分かります。暫くすると波が大きくなってきました。先の同型艇はジブを降ろす作業をしています。これで艇速は一層差が出ることになりました。長命寺港の手前で、タックして北にコースを向けます。向こうの同型艇は長命寺港に入って行くようです。東北東の風は相変わらず強くてぐんぐん快調に進みます。快適です。

少し落としてアビームリーチでヒールを安定させて走りながら、昼食を摂りました。と言っても、一人はティラーとメインシートから手が離せないので、相手に時々スプーンで口に運んでもらいながらの食事です。観測塔のかなり北まで達したところで南西にコースを落とし、志賀ヨットクラブへ戻るコースを取りました。

15時30分帰港。
シャワーを浴びてから艇の後片付けをしたが、気温はまだ真夏と変りませんから再びびっしょりと汗をかいてしまいました。ハーバーマスターの藪さんから、台風19号が接近するかもしれないので、艇の四方にもやいロープを垂らしておいてほしいとの依頼がありました。強風対策のラッシングに使用するとのことです。

今日は強風でのセーリングで力仕事が多かった所為でお腹が減りました。帰りに和邇駅前のスーパーでお寿司やアイスクリームなどを買い、ちょっと行儀は悪いのですが駅のホームでぺろりと平らげてしまいました。

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bullet西からの強風、湖岸でアンカリングして艇の掃除

1997年8月30日(土曜日)

ワイフと二人で8月は2度目の志賀ヨットクラブ行きです。何時ものとおりの電車で、いつものとおり9時半過ぎにクラブに到着しました。すぐに艇を降ろしてもらって、10時10分に出港。

風はめったにない西風の強風。浜から沖合いに向かって吹く風なので、桟橋付近では波は全くありませんが少し沖合いでは相当強い風と波があるのが見えます。

エリを過ぎたところで、風に立ててセールを上げようとしました。ところがメインハリヤードが、風に煽られてマストのバウ側に回り込みレイジージャックの上端の止め金具に絡みセールが途中まで上がったところでハリヤードが上にも下にも動かなくなってしまいました。ワイフがヘルムを取り、何とか艇を風に立てているので、私がマストの前に回ってラフを掴んでセールを思い切り引き下げてから離したところハリヤードに一瞬テンションの緩みが生じ、ハリヤードがレイジージャックの止め金具から外れてくれました。エリの外で、沖に向かう風ですからリーショアの危険が無くて幸いでした。

ほっとしてセールを上げてみましたが、西の比良山脈から吹き降ろす風でブローの強弱がとても激しく、帰りが真上りになるのでちょっと厄介です。セールを上げるのにトラブッたこともあって気弱になり、リーフしてまで出かけるよりは一度桟橋に戻って様子を見ようということになりました。天気はとても良いので、浜側の桟橋に着けて艇の内外を整理し、デッキ周りの拭き掃除もしました。

一時間ほど様子を見て少し風が落ち着いたようなので、艇を出し前回(8月3日)泳いだあたりで強風でのアンカリングの練習をすることにしました。機走で志賀ヨットクラブから北に暫く行った湖岸に到着して、アンカーを入れルことにします。西風なので艇を湖岸に向けてデッドスローで前進させようとしました。ところが風がかなり強いので、デッドスローだとバウが風に押されて下手に落とされがちになります。少し艇速を上げて艇の位置を保ち、アンカーを落としそのまま後進してアンカーロープを伸ばします。40m一杯になるまで伸ばしたところで、クリートにロープを絡めてアンカーを利かせます。再度後進を掛けてしっかりと利いたことを確認しアンカーロープをクリートに止め、余らせておいたエンドをジブのセルフタッキング用のレールに結びました。
風は強いのですがが、天気は良いので、ここで早めの昼食にしました。ゆっくりと食事をしてからライフジャケットを付けて水に入舫いロープで身体が流されるのを止めて艇の外側をブラシで擦って掃除しました。コクピット周りにも水を流しブラシで擦って綺麗にしました。

時々くるブローがますます強くなってきます。辺りの白波が多くなってきました。15時前に帰港することにしました。アンカーを上げようと立錨位置まで手作業でアンカーロープを引こうとしましたが、強風に向かってのロープ引きはかなり重くて重労働で立錨位置まで進めることはとても出来ません。アンカーも一向に動く気配が見えません。一瞬何かにアンカーが絡んでしまったのか等と心配もしました。そこでエンジンをかけて機走で立錨位置まで進めてアンカーロープを引いたところ、すんなりとアンカーが上がってきました。風の強い時には正面から艇に掛かる風圧でもこれほどに強いのだと体感できました。強風での着岸、着桟の場合、舫いロープを扱う時にも同様の注意が必要。

15時30分、帰港。

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bullet八屋戸浜でアンカーして、親子4人で泳いで遊んだ

1997年8月3日(日曜日)

ワイフが久しぶりに日曜日に休みが取れることになりました。そこで、娘、息子も一緒に琵琶湖へ出かけてヨットで水遊びと水泳をすることにしました。
いつものとおりJR塚口駅7時50分発の電車に乗り、尼崎で新快速に、京都から湖西線に乗換えて、和邇駅着が9時20分。

志賀ヨットクラブに9時半過ぎに着きましたが、真夏の日曜日ですからさすがにとても混み合っていました。その上、今日はお盆前の日曜日ですから、この夏一番の人出になるようです。BUDDYの前に1艇が下架作業中です。その間に、先にロッカールームで水着に着替えました。

下架された艇は、構内の桟橋で直ぐにエンジンを掛けました。直ぐに乗艇して、9時45分出港。蓬莱駅と志賀駅の中間あたりの八屋戸浜の近くでアンカーして泳ぐ予定、帰港は15時30分と告げておきました。

曇り空に時々晴れ間が覗く天気です。風は非常に弱く、風による波はありませんが、多くの水上バイク、モーターボート、バスボートなどが湖岸近くを走り回っているので、その曳き波が交差して複雑な波になっています。
エンジン全開で、目的の湖岸を目指します。南に小さなエリがあり少し北側に小さな取水塔(?)があって、その少し北の岸辺には三角屋根の別荘があります。浜は狭くて、藻場が発達しているので時折ルアーの釣り人は来ますが、泳ぎの人は全く居なくて静かです。ただ、別荘の北側に小さな公園があり、その湖岸から水上バイクを乗り出しているようで、これがちょっと五月蝿いです。でもエリと取水塔(?)に挟まれているので、水上バイクもほとんど近づいてはこないようです。

バウからアンカーを入れるので、操船はワイフに任せます。風は東から僅かに北寄り。アンカーを入れると艇は浜側に流されることになります。南のエリとの間に比較的大きく水面を開けるようにして、デッドスローで浜に寄せて行きます。少し取水塔寄りにアンカーを落としました。即座に後進にして、後進のまま南西に艇を移動させます。ワイフの操船も板に付いて来ました。風が無いのでアンカーロープを引いても強い手応えがありません。水深は5m以上なので、アンカーロープはほぼ35一杯に出しました。これでしっかり効いています。風は無いのでほとんど艇が振れることもありません。アンカーロープがバウから直ぐにだらりとカーブして水中に下りています。10時丁度にアンカーを完了しました。

艇と東の志賀沖観測塔と北の松ノ浦のホテルとの間で山立てをして、艇の位置を確認しました。
蓬莱山と打見山の上部は雲の中です。曇り空ですが雲は薄く弱い日差しがあるので、暑すぎず水から出ても寒くはなく、わずかの風で濡れた身体が乾くので気持ちが良い。

日差しを受けると暑さがひどくなるので、ブームの上にオーニング(ウェッジ型のセルフスタンディングテントのオーニングです)を掛けました。ブームの上に掛けるとこれがぴったりと収まって誂たようです。日陰で風を受けると涼しくて快適です。このオーニングには梁方向に折畳み式のポールがあるのですが今回は持参しませんでした。これがあればもっと天井が広く張れるので、次回はこれも持ってくることにします。

湖岸では4人の釣り人が胸まで水に立ち込んでルアーでブラックバスを狙っているようです。釣りの邪魔にならないように、艇の周りと沖向きで泳ぐことにします。

娘と息子は早速水に入りました。二人が泳ぎ始めたところで、ワイフと私はコクピット周りを水で流して掃除することにしました。先日の台風で、木の葉のかけらや塵が隅に溜まっているので、バケツで水を流て綺麗にしました。
水温は1ヶ月前と比べるとかなり上がっています。しかし、先週末は台風9号の影響で2日間大雨続きだったので水位は上昇し、水質は少し濁りが出ています。
ワイフも黄色の浮き輪を膨らませて、それを持ってのんびり水に入りました。そのうちに、ワイフは浮き輪では疲れるからライフジャケットを着て泳ぐと言い出しました。ライフジャケットはきちんと着たら、バランス良く水に浮き頭が確実に水の外に出るので、これはたしかに楽です。しばらく皆で泳いでいたが、今度はスターンから飛び込み始めました。最初に娘が飛び込み、息子もつられて飛び込み始めました。飛び込みは息子も得意です。小さい頃は娘のほうが恐がりでなかなか頭から入れなかったのですが、今ではバランス良くきれいに飛び込んでいます。息子のほうは強く足で蹴って遠く深く突き刺さるように水に入っています。
ワイフも飛び込んだのですが、落ちたという感じです。足を伸ばさないまま落ちたので、太股が真っ赤になってとても痛そうです。次はなんとかうまく飛び込めましたが、まだ足が伸びていないし上体がそり気味になるので、頭頂部からでなく顔から水に入ってしまいます。
私はバウから飛び込みました。娘も息子もすぐに真似して、バウから飛び込もうとしましたが、ちょっと高いのでやっぱり躊躇していましたが、二人ともきれいに飛び込みました。
大騒ぎしながら泳いでいるとすぐに時間が経ちます。お腹が減るのも早い。11時30分には昼食にしました。ペットボトルで凍らせて持ってきた烏龍茶がとても冷たくておいしい。酒の摘みのような鶏肉や貝類の缶詰も思いの外美味しい。12時にはもう再び水に入って泳ぎ始めていました。このころから、弱いけれど東からの風が吹いてきて、蓬莱山の山頂まで見えてきました。日差しも強くなってきたのでオーニングがあって大助かりです。ワイフはこの日陰でリラックスして昼寝をしています。
今度は3人でバウのパルピットの上から跳び込むことにしまし。パルピットの上に立つのにちょっと苦労します。フォアステイを片手で握ってサイド方向へ飛び込むのが一番バランスを取りやすいようです。自然に前傾してから蹴るのではなく足を伸ばすようにすると上手く頭から水に入れました。

14時30分頃、蓬莱山の上からパラグライダーの大集団(20機以上だったと思う)が舞い下りてきました。山頂のスキー場の斜面を利用して飛び出し、ゴンドラリフト乗り場の下にある大駐車場にランディングするようです。鳶や鷹がソアリングするような感じで空を色とりどりのパラグライダーがゆっくりと舞っているのがとても綺麗です。今日は風も強くないので絶好の日和ではないでしょうか。

水に入って遊んでいると、お腹が空くのが早い。もう全員お腹を空かしています。帰りには駅前のスーパーでしっかり食べ物を仕入れる必要がありそうです。

皆、ちょっと名残惜しそうだったけれど、南東の風が急に強まってきたこともあって、15時10分にアンカーを上げて帰港することにしました。アンカーはすんなりと上がりました。湖底が泥質だったためアンカーロープがちょっと汚れていましたが、今日は時間もないので洗うことが出来ません。
このまま帰れば15時40分頃に入港できます。急速に風が強まり波が高くなってきたので、エンジン全開で志賀ヨットクラブを目指します。バウが波を切ると豪快にスプレーが飛んできます。
桟橋には両側に4艇が舫っています。1艇が先行していますが入港せずに桟橋に着けるようです。港内の桟橋が空いているのが見えたので、先に入港することにしました。浜側の桟橋で作業中の艇には悪いのですが「お先に失礼」と声を掛けて先に入港しました。ワイフがバウにでて、ぴったりと寄せたところで桟橋に飛び移り即座にバウの舫いを取りました。後進を掛けて艇を止め、舫いロープを持って桟橋に出てスターンも舫いました。

スタッフの手で直ぐに上架作業が始まり、デッキの後片付けは後にして先にシャワーを使うことにしました。男性用のシャワーは空いていたが、女性用のシャワーは一人の使用時間が長いのでなかなか終わらないようでした。
私のシャワーが終わったころには、艇の上架作業が終わったので、後始末に掛かりました。風があるのでそんなに暑くはないのですが、それでも日向での作業なので暫くすると汗が滴り落ちてきます。燃料タンクとホースを片づけて、ハッチを閉め、ロープ類をまとめて、鍵を閉めたところで、ワイフたちがやっとシャワーを終えて出てきた。

ハーバーマスターの藪さん達スタッフの人に挨拶をして、志賀ヨットクラブを後にしたのは16時40分でした。

駅前のスーパーであれこれとお好みの食べ物を購入して、湖西線の電車の中で4人で賑やかに食べながら帰りました。

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bullet強風で午前中はセーリング中止、午後は八屋戸浜でアンカリング

1997年7月5日(土曜日)

ワイフと二人で志賀ヨットクラブへ出かけました。昨日までは快晴が続いていたのですが、今日は曇りがちの天気です。
今日もJR塚口駅7時50分発の電車で、尼崎から新快速に乗換え、京都で湖西線に乗換えて、和邇駅には9時20分ごろに着きました。

志賀ヨットハーバーでは、すでにBUDDYは港内の桟橋に降ろされていました。
スタッフが下架作業の時にティラーが無いのでびっくりしたとのこと。塗りが剥げた木製のティラーを前回持ち帰り、塗り直して今日持ってきたのです。そのティラーをセットしました。ティラーをラダーに取り付ける部分のボルト・ナットのナットの外側にゴムがついていて、勝手には緩まないようになっているのが分かりました。なるほど優れもの。

風は珍しく西の風で、比良山脈からまっすぐ吹き降ろしてきます。雲が相当な速さで東に流れています。ハーバー内ではそれほどには思えませんが、沖合いの波を見ると相当吹いているようです。早速、エンジンを始動。10時出港。

エリを越して暫くしたところでエンジンを絞って、セイリングの用意に掛かります。風が強く波もあるので、二人ともライフジャケットを着けています。波があるので力仕事のデッキ作業は私が担当です。ジブをフォアステイにセットしてハリヤードもシャックルで繋ぎばたつかないように雑索で縛っておきました。メインセールはスムーズに上げられるように、レイジージャックの高さを調整しておきました。風が強いのでメインはリーフして揚げることにしました。

エンジンを微速にするとバウが風下に落とされるので、エンジンを中速にして艇を風に立てます。ワイフが艇をコントロールしている間に、メインセールを上げます。最初は、2番目バテンがレイジージャックのロープに引っかかり、これを外して更に揚げようとすると、今度は半分ほど揚がったところで、何かに引っかかったように全くあがらなくなりました。よく見ると、スプレッダーの上でレイジージャックのロープをマストに止めてある突起にメインハリヤードが絡んでいます。メインセールをあげる前にハリヤードが緩んで暴れ、絡んでいたのに気が付かなかったのです。幸いハリヤードを離してテンションを抜いたら、直ぐに外れたので、その後は一気にリーフ位置まで引き上げることが出来ました。ところが真の悪い時には間の悪いことが続くもので、ピークボードをマストグルーブのカーと繋ぐプラスチック製のハンクスの接合部が外れているのに気が付きました。これを嵌め込むために、揚げたばかりのメインセールを一度引き降ろしました。スナップ部分は真っ直ぐ引かれている時には外れることはないのですが、引く力が無くなり斜めの力が掛かると外れる場合があるようです。このスナップを止めて再度メインセールを揚げました。風が強いので、シバーするし、ヒールするし、風上に切りあがるし、どたばたしましたが、何とかリーフも調整してメインセールを揚げ終わりました。

ポートタックのアビームにして近江舞子方向に向け、まず艇を安定させました。そこで今度はジブを上げに掛かります。まず、私がバウに出てジブを結んでいた雑索を解くのとタイミングを合わせてワイフは僅かに艇を風に立ててメインセールの風を抜きます。その間にコクピットに戻った私がジブを揚げました。ジブが揚がった途端にセール面積の増えた分力を得た艇は、大きくヒールしながらスピードを上げて飛び出すようにセーリングを始めました。ワイフは、ジブを揚げる直前からメインセールの大きなシバーとジブを揚げた直後の大きなヒールで慌てているので、バウが風下に落とされていることに気が付いていません。急速にスピードが上がったものですから、見掛けの風が前に周り、再びメインセールが大きくシーバーし、今度は急速に風上に切りあがろうとします。ワイフの腕力ではこのウェザーヘルムを押さえることが出来ないようです。

ワイフを後ろから抱きかかえるようにしてティラーとメイン・シートを代わって、艇をコントロールするすることができました。ところがワイフ一人ではジブシートを引くことが出来ません。ヒールが恐くて、スタボーサイドに移って、ジブを引く作業をすることが出来ないのです。仕方が無いので、再びワイフにティラーとメインシートを任せて、アビームで風を逃がし気味にしながら走るように指示して、ジブシートを引き込みました。ウェザーヘルムが減って艇が安定しました。その分スピードも上がりました。安定して走り始めると、ワイフもやっと落ち着いて艇をコントロール出来るようになったようです。エンジンを切り、チルトアップしました。アビームで飛ぶように走っています。

しかし時折強いブローがやってきます。大きくヒールして強いウエザーヘルムが出ます。私たち二人のウェイトではヒールを抑えることが出来ません。しかし、風は収まるどころかだんだんと強まるように思えます。次の段取りを考えなければなりません。小型で軽量のセンターボード艇ですから、この辺りが限界かもしれません。この風の状態が続くようなら、今日はセーリングは中止しようということになりました。

船外機を降ろし、スタターロープを引きましたが、艇のスピードが早くてペラが回転していますのでほとんど手応えがありません。スロットルを前進に入れたら、起動しているとが分かりました。機走して艇を風に立てながらジブを降ろしました。雑索で固定し、メインセールも降ろしてブームに縛り付けました。ブームエンドもバックステイに固定して、フルスロットルで志賀ヨットクラブを目指します。

10時40分、浜側の桟橋にスタッフの一人がいたので舫いを取ってもらいました。桟橋でひとまず風の様子を見ることにしました。天気は曇りですが、時々青空も覗きます。風があるので気温ほどには暑さを感じません。手持ち無沙汰なので艇の掃除を始めました。ポリバケツで水を汲み、デッキとハルの上部を拭きに掛かります。防舷材とデッキの間のハル、コクピットからスターンの間などの大きな汚れを落とすと、すっきりと綺麗になりました。コクピット内もどんどん水を流して、ごみと汚れを流します。掃除がすんだところで、11時30分になったので、昼食にしました。昼食を摂るのはクラブハウスでもも良いのですが、折角ヨットに乗りに来ているのだからとキャビン内で食事をすることにしました。バウのハッチを大きく開けて西風を入れると、日陰の艇内が涼しくなりました。
今日は、国道沿いの食料品店でいつものように1.5リットルの烏龍茶を買うつもりだったのですが、あいにく自動販売機が入れ替えられていて2リットルのものしかありません。これでは大きすぎるので、店の中にあったカルピスウォーター1.5リットルにしました。ところが、これは甘くて後口がべたついて大失敗。口直しに水が必要です。

風は何時までも弱くなりません。待っていても面白くないので、セーリングは中止して機走で出かけることにしました。次回は家族4人で泳ぎに来る計画なのですが、その時のために適当な浜を物色しに北を目指して出港しました。

沖では、同型のヤマハ21が併走しながらレースの練習をしています。強風の中でメインセールをリーフしての走りです。先ほど、私たちが食事をしているときに出ていった40feet艇は、沖でファーリングジブを詰めてセイリングに入りました。腰の重い大型艇で、なおかつメインセールもローラーリーフ機能を持っているので、ショートハンドでも操船は楽そうです。このくらいの風は楽勝なのでしょう。

蓬莱駅と志賀駅の中間あたりに昨年息子と一緒に泳いだ浜があるのですがそちらに向かってみます。強風で浜近くでも白波が立っています。しかし普通とは反対向きの、浜から沖向きの波です。昨年の位置より少し北の小さな浜の近くでアンカーを入れることにしました。広い地域で見れば西風ですが、この辺りでは蓬莱山の南を回り込んで吹いてくるためか南西の風です。エンジンを低速にすると風に負けてバウが風下に落とされるので、舵だけで風上に立てて保持するのは難しい。エンジンのパワーを上げて風上に立て、左回りに想定したアンカー位置の周りを回って、前後左右の状況を確認しました。北側にエリがあるので、推進力を失うと、南西の風でエリ東端に吹き寄せられる危険があります。風は浜側からなので浜に吹き寄せられる心配はありません。そんなことを確認してから、アンカーロープを捌きエンドをパルピットに結んで、アンカー準備完了。アンカーを落としました。すぐにワイフがエンジンを後進にしてまっすぐ後進させます。アンカーロープが20mほど出たところで、クリートで軽く固定してみました。即座に大きな荷重が掛かってアンカーがしっかり効いていることが分かりました。あと10mほどロープを繰り出して、しっかりとクリートしました。風が強いので、艇はアンカーを中心に左右に大きく振られています。しかし、浜の目標物を視認してチェックしても流されている気配はありません。

ここで、ゆっくり遊ぶことにしました。ワイフは昼寝、私は暑いので水に入ってみることにしました。ショートパンツのままで、スターンのステップを使って足からゆっくり水に入りました。水温が低くていお腹が水に浸かるとぶるぶると震えが来そうな感じです。泳ごうと体を動かすと本当に冷たいのが分かります。慌てて水の外に出て、太陽の日差しを受けると暖かくて気持ちが良い。足に触ってみると、ひんやりと冷たくなっています。7月の水温とは思えません。
ワイフも足を冷やしそうと、ステップに降りてみましたが、冷たいのにびっくりしていました。

14時30分。風はますます強くなって、波も相当大きく、白波の波頭が崩れてくるようになりました。次に風がすこし落ちた時に抜錨して帰港することにしました。15時まで待っていてもあまり風は落ちてこないので、アンカーを揚げに掛かりました。バウに出てアンカーロープを引き立錨させようとしましたが、途中でブローが来ると強い力で艇が引かれるので腕力だけではそれ以上ロープが引けません。ブローが過ぎたところで、それ以上引けないと思えるところまで引いても、全くアンカーが動く気配がありません。がっちりと根が生えたようです。ひょっとして何かに絡まっているのか、場合によってはアンカーを捨てるのかなどと、ちょっと心配になってきました。

腕力だけではどうしようもないので、ワイフにエンジンをフルにしてアンカーの上と思われるあたりを通過するよう指示しました。機走でアンカーの上と思われるあたりを通過したところ、すっと力が抜けたようにアンカーが動いて上がってき始めました。一気にアンカーロープを引いて抜き上げました。
フルスロットルで一気に志賀ヨットクラブへ帰ります。バウに当る波頭のスプレーがコクピットまで飛んできます。

15時15分、帰港。
デッキの後片付けを終えてからシャワーを浴びて、16時10分に志賀ヨットクラブを後にしました。

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bullet沖島周回、帰りはジェネカーで

1997年6月14日(土曜日)

金曜日の午後から天気が回復してきたので、出かける旨志賀ヨットクラブへ電話を入れておきました。予定通りワイフと二人で琵琶湖でセーリングです。
前回同様、JR塚口駅7時35分発の電車で出発、尼崎で近江今津行きの新快速に乗換え、堅田で普通列車を20分待って、和邇駅着が9時10分。

志賀ヨットクラブまでの国道沿いの酒店で、ペットボトル入りの烏龍茶と缶詰のコーンビーフを買いました。9時半に到着、クラブには誰も来ていません。下架作業が始まっていて、すぐに出港準備を調えました。
今日のセーリング計画は、沖島往復、15時30分帰港予定です。

風は北東の微風です。波が殆ど無く風は安定しています。9時50分に出港。ワイフがジブの準備、今回はジブシートも忘れずに結べていました。もやい結びではなくダブル・ハーフヒッチだったのがご愛敬。メンスルは、レイジージャックを付けたお陰でブームの高さを固定できるので実に作業が楽です。一気にメインセール、ジブセールを揚げて、セーリング開始。風を探し求めながら、沖島方向を目指します。

風が弱いので観測塔がなかなか近づきません。11時過ぎにやっと観測塔の近くに来ました。少し風が出てきたので、一気に艇速が上がりました。それまでが歩くより遅いようなスピードですから、沖島が見る見る大きくなってくるような気がします。11時30分ころから昼食にしました。セーリングを続けながら、手の空いた方が交替で持参した弁当を食べます。

13時前に沖島水道に入りました。水道に入ったら風は殆ど無くなりました。漁船や通船の往来が頻繁なので、セールを降ろし機走に切り替えて水道を抜けることにしました。一気に北へ抜けると、沖島の北端を躱して、西へ向かいます。

風は相変わらず北東の微風なので、志賀ヨットクラブへの帰りのコースはジェネカーを揚げることにしました。スタボータックでのリーチングでのジェネカーの準備です。スターン寄りのブロックから両サイドのジェネカーシートをステイの外側を回してジェネカーのクリューへ繋ぎます。タックをバウに伸ばしたジェネカーポールのタックロープに止め、ピークにハリヤードを止めます。前回ジェネカーが捻れたままで上がり風を孕ませられなかったので、クリューとタックがクロスしていないか、ピークが捻れていないかを確認するのに念を入れました。これで何時でもジェネカーが揚げられます。
まず、メインセールを揚げました。落とし気味にリーチングで走らせておいて、エンジンを止め、チルトアップしました。そして一気にジェネカーを揚げました。ワイフがヘルムで、ジェネカーシートを引き、私がジェネカー八ヤードを引く手順とタイミングもお互いに漸く慣れてきたようです。ハリヤードを素早く引き上げること、ほぼ揚りきったタイミングに遅れることなくシートを思い切りよく引く、この二つの操作のタイミングが合えばすっと風を孕んで展開します。今回は、かなり上手く行きました。

ジェネカーが開いてぐんとスピードが上がりました。沖島の西岸に回った頃から風が良くなってきてぐんぐんスピードが上がります。シートを直接持つのが難しくなりウィンチを介して引くようになりました。ジェネカーには強すぎる風になりそうなので、早目に降ろすことにしました。

今までのジェネカーを降ろす作業の中では一番強い風です。ワイフのトリムで、私がハリヤードを放してピークを飛ばすと同時にワイフもシートを放しました。私はマストの前でジェネカーを両手で大きく巻き込むように一気に手繰って取り込みました。降ろす時も思い切りとスピードが大事ですね。
ジブを揚げてコースはそのままにリーチングを続けます。その間にジェネカーをバッグに格納しました。

観測塔周辺まで一気に進んだところでぱたりと風が落ちて無風状態にまりました。ほんの僅かの時間、風を待っていましたが、直ぐに南から弱い風が吹き始めました。セーリングで志賀ヨットクラブまで帰るには余りに弱い風なので機走に切り替えて、セールの後始末をしながら、志賀ヨットクラブに向かいます。ジブを外し、メンをブームに収納したところで、皮肉なものでだんだんと風が強まり快適なセーリングが出来る風になってきました。帰港する直前には南東の風がかなり強くなっていました。ちょっと残念でしたが、早目にセールを降ろして楽が出来たと思うことにしました。

燃料が空に近くなっていましたので補給して貰いました。

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bullet多景島を目指したけれど届かず

1997年6月7日(土曜日)

天気予報のとおり、朝から雲一つない快晴。ほぼ1ヶ月ぶりにワイフと二人で志賀ヨットクラブへ出かけます。
JR塚口駅7時35分発の電車に乗って、尼崎で近江今津行きの新快速に乗換え、堅田で普通列車への乗換え待ちが20分あって、和邇駅に9時10分着。

9時30分に志賀ヨットクラブに着くと、1艇だけ先客があり下架作業中でした。私達の艇・BUDDYVは、その後に続いて桟橋に降ろされました。
今日は、ちょっと遠いのですが多景島を目指してみようという計画です。
燃料タンクをセットして船外機を始動。一発で掛かったのですが、アイドリングの時間を殆ど取らずに直ぐにスタートしたからでしょう、前進に入れた途端にエンスト。急いで再始動して再び前進。暫く回転が上がらずスローでの前進でしたが、桟橋を過ぎたころには回転も上がって通常の出力になりました。暖機運転を疎かにしてはいけませんね。

ハーバーの近くでは、南東の微風。いつものことながら、少し沖に出てみないと本当の風向は分かりません。エリを抜けて少し沖に出たところで、ワイフがジブをセット、私はブームカバーを取ってメンセールを上げる準備をしました。このところセールを揚げるまでの二人の担当がこのようになっています。ワイフのジブセットが終わったところで、ティラーをワイフに交代し、私がセールを上げることになります。ワイフがスキッパーで力仕事その他雑用はボースンである私という役回りです。レイジージャックの高さをセットしておいて、艇をやや風に立てるようにしてまずメンセールを揚げます。続いてジブを揚げました。

湖面には縮緬のよう小さな皺が見えるほどの微風ですが安定して吹いているので、艇は音もなく滑るような動きです。日差しもあって心地よい温かさです。沖に出ると風は僅かに東に回り始めましたので、スタボータックで北東向けで北湖の真ん中を目指します。

11時ごろに早目の昼食。しばらくすると風が急速に落ちて、ベタ凪状態。湖面が鏡のようで比良の山並みが湖面に映るようになってきたので帆走をあきらめて機走で多景島方向を目指します。

沖島の北端より少し北に出た辺りにさしかかると、北に風の黒い筋が見えてきました。即座にセールを揚げててセーリングの準備をします。待つ間もなく風が強まってきて弱いブローが入ります。その度に風が少しづつ北へと回って行きます、そこでポートタックに変えて多景島を目指します。
風と共に波も大きくなってきました。風の強まり方が急速なので、もっと強くなることが予想されます。リーフすることにしました。リーフするとすぐに艇は安定して快適なセーリングになりました。そのまま北湖の真ん中目指して暫くリーフでのセーリングを続けていましたが、再び風が落ちてきました。フルセールに戻します。快適なセーリングになってきました。

ワイフはコクピットの足下で横になって昼寝をしています。走れるだけ走って多景島に近づこうとしましたが、時刻は13時50分、まだ沖島と多景島の中間辺りまでした達していません。時間切れで引き返すことになりました。タックしてスタボータックのリーチングとし、志賀ヨットクラブへダイレクトに向かうコースを引きます。

このコースだとジェネカーで帆走したくなります。早速ジェネカーを用意しました。一気にジェネカーを上げようとしたのですが、タックとクリューがクロスして捻れたままで上がったためにシートがジェネカーの真ん中を絞って提灯になってしまいました。慌てて、ハリヤードストッパーをフリーにして大急ぎで降ろします。再度挑戦しましが、今度はシートは捌けたもののジェネカーのピーク近くが捻れていて、シートを引いてもその捻れが戻らないままで風を孕み綺麗に展開してくれません。降ろしてピークの捻れを戻してハリヤードに繋ぎ直さなければ駄目のようです。前回のジェネカーのバッグへの収納時に捻れた状態を作ってしまった様です。そんなことで時間を費やしている間に、風はどんどん強くなってところどころに白波が見えるようになってきました。こうなるとジェネカーどころではありません。大急ぎでジェネカーを仕舞って、ジブを上げリーチングで一気に志賀ヨットクラブを目指します。思った以上のスピードが出たので、このまま行けば16時前には帰港できそうです。
しかし、観測塔を過ぎたところで急速に風が落ちてきたので、機走に切り替えました。

15時45分、帰港。

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bullet沖島周回、帰りはジェネカーで快適セーリング

1997年5月10日(土曜日)

ゴールデンウィークの5月3日から5月5日の3連休は、混雑を避けて自宅で過ごしました。その後、5月7日から8日にかけて、小型台風並みのメイストームが吹き荒れましたが、9日には雨も上がり天気は回復しました。移動性高気圧に覆われて今日はセイリング日和になりそうです。

ワイフと二人で出かける予定にし、昨日の夕方志賀ヨットクラブに電話しましたが、ヤードで作業中なのか事務所に繋がりません。FAXをどうぞという案内が出たのでパソコンのモデム経由でFAXを打ってみたのですが相手端末が応答しないというエラーで結局FAXも出来ませんでした。

今朝は何時もより20分ほど早い息子が通学に使う便(JR塚口駅7時35分)に乗って、尼崎で新快速(近江舞子)に乗換えてみました。しかし、この便は堅田駅で20分も次の普通列車を待ち合わせることになり、結局、和邇駅に着くのは10分ほど早いだけのことでした。

前回来た時、4月27日には、ちょうど田植えが始まったところでしたが、今日見ると水面に緑色の藻が発生し、稲もしっかりとした緑になってきています。夕べからの快晴で、朝方は冷え込んでいます。気温が上がる予想だったので薄着をしてきたワイフは、寒くてウィンドブレーカーを着て手袋まで着けました。途中の酒店で、アクエリアスの1.5リットル入りペットボトルを買い込みました。

9時30分に志賀ヨットクラブへ到着しました。クラブのメンバーはまだ誰も来ていないようで、ひっそりと静かな中早速BUDDYを降ろしてもらいました。ハーバーマスターの藪さんの話では、今年のゴールデンウィークはクラブを訪れる人が少なかったようです。BUDDYは、昨年の5月5日に進水して、丸1年経ったところです。1周年記念のセーリングは、最高の天気と静かなハーバー、モーターボートや水上バイクなどに邪魔されない快適な湖面に恵まれそうです。

さっそく、燃料タンクをセットし、エンジン始動。スターターロープを2回引いただけであっさりと掛かりました。暫くアイドリングして、9時50分に出港しました。藪さんに、沖島を目指し、15時30分帰港予定を告げました。

天気は快晴、風は程良い微風が安定して吹いているので、快適なセイリングになりそうです。ハーバーを出てしばらくは機走して、セーリングの準備に掛かりました。ハーバーの近くでは、風は東の沖島方向から吹いているように見えます。しかし、ハーバー付近はすぐ西側にある比良の影響を受けているので、ちょっと沖に出れば、天気予報どおり午前中は北寄りの風、午後は南東の風になる様な気がします。
何時もはワイフがジブのセット、私がメインセールの準備という担当なのですが、ジブもメインセールの私が担当すると言うことで準備に掛かりました。ところがうっかりしてジブシートをセルフタッキング・トラベラーのブロックから外して、クリューに結んでしまうというチョンンボが、ジブを揚げるところで発覚、とんだドジでした。
レイジージャックがあるとメインセールの揚げ降ろしがとても楽で快適です。ただ、レイジージャックの締めすぎるとセールの滑らかなカーブを阻害するので、適度に緩めておく必要があります。ブームが下がりすぎず、セールのカーブの邪魔にもならない適当な高さが見つかったので、ロープにマジックで印を入れてみました。

沖にでると風はほぼ東で安定しました。何度かタックしながら沖島の南端を目指します。風は徐々に北東に回ってきます。空気が澄んでいて、長命寺港から北側の山の新緑がとても鮮やかです。風も太陽の光も穏やかで快適なセーリングです。早目の昼食を摂りながら、穏やかな快適な湖を楽しんでいます。

周囲にセールの影は全くありません。沖島水道に漁船の姿があるだけです。風は沖島の南端を東に躱すと北寄りに変わり、真上りのタッキングで水道を北上できそうです。水道の船の行き来は、沖島漁港から近江八幡側の堀切への通船・漁船のだけでプレジャーボートの姿はありません。水道の湖東側へポートタックでぎりぎりに近づきタック、沖島漁港の港口手前で再度タック、エリをぎりぎり交わして堀切の港からの漁船の動きを確認しながら再度タック、沖島の北端近くでは東からエリが伸びてきて水道が狭くなっているので細かくもう一往復タックを入れて、水道を抜けました。

水道の東の山陰と沖島の島影を抜けたので風が変わりました、ここでは風は元のように北東に戻りました。同時に風も弱まってきたようです。アビームで沖島北端のエリを躱してから、志賀ヨットクラブを目指すことにしました。
風が弱まってきましたので、早速ジェネカーを揚げることにしました。ジェネカーを展開すると一気にスピードが上がり、ワイフはティラーとメインセールのトリム、私はジェネカーのトリムに専念します。
沖島と志賀ヨットクラブの中間あたりまで戻ったところで、ジャイブして南を目指しました。観測塔を越してほぼ真西に志賀ヨットクラブを目指せるところで、再度ジャイブ。ここから一本コースで志賀ヨットクラブを目指します。ジェネカーのスピードでかなり距離が稼げたので、この風で沖島を巡ったにしては思ったよりずっと早目に帰港できそうです。

15時45分、帰港。天気が良く快適なセーリングが続いたので、しっかりお腹が減りました。和邇駅前のスーパーで食べ物を調達し、駅のホームで食べながら列車を待ちました。堅田駅で姫路行きの新快速に乗換えられたので尼崎到着が早く、何時もより15分ほど早く帰宅できました。

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bullet沖島往復、手頃な風で一日タッキングの練習

1997年4月27日(日曜日)

いつものように尼崎を8時過ぎの新快速で京都乗り換え、和邇駅には9時20分頃着きました。
昨日の電話で今日の乗艇と到着時刻を告げておいたので、志賀ヨットクラブではBUDDYを港内の桟橋に降ろしてありました。
早速燃料タンクをセットして始動。9時50分、出港。
北東の風は安定していて3〜4m/sほどで、波も穏やかでセーリングの練習には最適のコンディションです。
エリを越したらすぐにエンジンを絞って、セーリングの用意に掛かります。ワイフがジブをセット。その間に私は、ブームカバーを外し、レイジージャックを絞め込んでブームを水平に支えます。バックステイからブームエンドを支えているフックを外して、メインセールを上げる準備をします。ワイフのヘルムで艇を少し風に立てます。まずメインセールを揚げます。レイジージャックを付けてからは、ブームが水平位置に保持されるので、ブームが暴れるのを押さえておく必要が無くなり、メインセールを揚げるのがとても容易になりました。しかし、今度はメインセールの上側2本のバテンがレイジージャックのロープに引っかかる場合が出てきました。これは、メインハリヤードを引く時にバテンを上手く通過するように注意するしかありません。ピークが揚り切るように、ウインチを使って引きハリヤードを引き締めました。即座にジブも揚げてセーリングに移ります。エンジンを切り、船外機をチルトアップして完全に帆走状態に移りました。ヘルムとメンセールのトリムはワイフの役です。

風が良いので艇は快調に湖面を滑ります。GPSで艇速を見ると7km/h程度。クローズ・リーチで前寄りの見かけの風を受けていると、もうちょっとスピードがあるように感じます。今日はワイフのタッキングの練習です。まず、北東の風にあわせてクローズホールドでタッキングを繰り返しながら沖島を目指します。

BUDDYVは大半のディンギーと同様に、タッキング時にはティラーとメインシートの間を抜けてサイドを移動しながら後ろ手でティラーを握り直すのが一番自然です。ところがワイフはこれがなかなかうまく行きません。タックが変わりヒールが変わってバランスが変わった時に、ティラーを持ち替える動作が出来ないのです。体を移動させる動作とティラーを体の後で持ち替えるという動作が同時には出来ないのです。結局、何回も何回もトライして感覚を身に付けるしかないです。頭では分かっていて動作をなぞれても、実際に体を動かす時には上手く行かないということは良くあるものです。
それと、タックが完了した時の艇の進行方向がなかなか定まりません。艇の現在のクローズホールドを確認し、その90度風上方向(普通の乗艇位置なら背中の方向)を確認するという動作が身に着いていません。漫然とセールと風見を見てタックを開始してしまいます。
これらに注意して何回も繰り返し練習しました。

いつしか観測塔も過ぎて、風は少し強くなりましが白波になるほどではなく実に快調に走っています。艇をアビームにし、ヒールをなくして食事をしながら走ることにしました。ちょうど艇の進行方向が沖島南端辺りになります。食事をしながら走って、12時過ぎに沖島南端に近づきました。

他の艇が沖島水道に入りタックをしながら北へ上って行くのが見えます。BUDDYは沖島南端で島のブランケットに入ったらしくぱたりと風が落ちてしまいました。そこを抜けると風が水道に沿って少し東に寄って吹いています。タックを繰り返して沖島水道を抜けられないことはないのですが、そろそろ帰港のことも考えたほうが良い時間です。無理せずほぼ真西の志賀ヨットクラブへ帰るコースを取ることにしました。

ワイフは暖かな日差しのあるデッキを選んで居眠りしながら、私がヘルムを取ってフリーで帰ることになりました。途中、観測塔の近くでワイフがもう一度タッキングの練習をしました。慌てずに落ち着いてやれば、自然にタッキングできています。思い切りの良さとメリハリが出れば、完璧なのですが。

暫く練習していると風が落ちたので、機走で帰ることにしました。ジブを片付け、メインセールをブームに畳みカバーをかけている頃に風が南に変わりました。機走で志賀ヨットクラブへ向けて走っている間に、再び風が出てきてちょっと残念な気もしましたが、そのまま一気に帰港。15時10分着桟。

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bullet娘の初乗艇は強風白波、風を避けてアンカリングで終り

1997年4月19日(土曜日)

今日は、ワイフと私の二人に、今年大学生になった娘が初めて同行します。昨日、出かける旨電話で伝えていたので、BUDDYは港内の桟橋に舫われていました。エンジンも一発で掛かって、さっそく出港。
風は港内から浜を見る限りでは南からの微風です。エリを外れて暫くしたところで、セールを揚げる準備に掛かりました。ジブはワイフがセットし、メインセールは私がセットました。娘は全くの初心者なので、取り敢えず邪魔にならないように見ているだけです。

北東の風をポートサイドから受けてのクローズホールドで東に向けて走り始めた。暫くして、前方から北寄りに水面が波で黒くなっら線が現れ、その向うには白波も見えてきました。こちらでは風はまだ弱いのですが微妙に強弱と振れが見えてきたので、大急ぎでメインセールをリーフすることにしました。艇を風に立ててリーフ作業を始めたのですが、もう風は吹き始め白波も周りに押し寄せてきました。風は強くなり波は徐々に大きくなってきてヒールが大きくなってきました。風は、吹き始めたところなので大きく息をします。強弱の変化の激しい風は初心者を含めたセーリングには最悪です。その上娘は乗り物酔いがあるので、それも大変です。もう気分が悪くなってきています。

即座にセーリングは中止と判断し、機走で風の弱い湖岸よりに戻って北からの強い吹き出しを躱ことにしました。岸に寄ると風は確かに弱くなったのですが、今度は風の振れと息が大きくて、とても初心者の練習というわけには行きません。結局機走で松ノ浦の南の浜の近くに寄せてアンカーし、暫く風と波の変化の様子をみることにしました。
アンカーロープは40m一杯出して、しっかりと食い込ませました。ここでも時折比良山脈からの強い吹き降ろしがあります。11時過ぎから早めの昼食にしましたが、娘は船酔いで食事どころではありませんでした。
天気は良くて暖かいので、艇の本格的な拭き掃除をすることにしました。バケツに水を汲み、汚れ取りのワックスも使い、デッキ全面の掃除に取り掛かりました。スターン部の汚れ、デッキから手の届く範囲のサイドの汚れもしっかり落として、冬の間の汚れが取れてかなり綺麗になりました。
艇は比良山脈からの吹き降ろしの風に振られて、アンカーを中心に規則的に左へ右へと移動すしていました。この風の中、直ぐ近くでモーターボートに引かれてウェイクボードの練習をしています。水温がまだかなり低いからでしょうか、心なしか元気がありません。暖かくなると増える水上バイクの姿もまだありません。

風はだんだん強くなり、波が高くなり、大きな白波も見えてきました。まだ13時半と早めなのですが帰港することにしました。しっかりと利いたアンカーを起こして引き上げるのは結構力が要って大変でした。そこから志賀ヨットクラブへの帰りは娘がティラーを握って今日初めて楽しそうにしていました。何かの役を担って積極的に行動していると船酔いが軽くなるようです。

上架して艇の底を見ると冬の間に黒い埃や水垢がついてうっすらと汚れています。ホースで水を掛け雑巾で拭き掃除をしてやったら直ぐに汚れが取れて綺麗になりました。娘は陸に上がってしまえば船酔いは即座に解消、船底掃除の主力でした。船底掃除用にはやはりモップが必要です。近いうちにモップを購入するつもりです。燃料が残り3分の1を切っていたのでスタッフに補給して貰いました。

娘はほとんど昼食を摂っていないし私たちもお腹が減ってきたので、帰りに和邇駅前のスーパーで食べ物(広島焼き、クレープ、アイスクリームなど)を買って、駅のホームのベンチで昼食兼早めの夕食にしました。
堅田で新快速姫路行きに乗り換え、尼崎まで乗り換えないしで帰ることができました。

娘の初乗艇にしては、最悪に近い条件でした。泳ぎは得意で好きですから、艇から泳いで遊べるような季節になればもっと楽しめることでしょう。

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bullet長命寺港往復、途中燃料漏れ?を疑い船外機の点検

1997年4月12日(土曜日)

志賀ヨットクラブに到着したのは何時もより少し早い9時20分頃でした。今日は何時もと違ってすでに何艇かの下架準備が進んでいます。珍しいことです。
BUDDYはここで陸置き保管されている艇の中では最小のクラスなので、ホイストでの下架ではなくてフォークリフトでの下架なります。下架が集中して忙しそうなホイストの作業の合間を縫って降ろしてもらえました。

YAMAHAに依頼していたレイジージャックの取り付けが完了していました。湖岸近くでの水遊びの時にちょっとの間艇を止めたい時などに使いたいと注文していたマッシュルームタイプの小型アンカー2個も届いていました。レイジージャックについては、ハーバーマスターの藪さんから、フォークリフトでの上げ下ろしの際に邪魔になるの出来ればマスト寄りに整理して欲しいとの要望がありました。レイジージャックはセールの上げ下げの時、リーフの時えれば良いし、陸置き時のブームの支えは、現在でもバックステイに取り付けたワイヤーとフックで吊り下げているので問題はありません。そのように説明し、了解しました。

ぽかぽか陽気なので、のんびり出かけられそうです。今日は北寄りの風なので長命寺を目指すことにしました。9時50分出港。

レイジージャックのお陰でメインセールを揚げるのがとても楽にななりました。風は北北東の微風。しかし安定した風なので気持ちよく1時間ほどセーリングを続けました。

何気なくチルトアップした船外機を見ると、昨年の夏と同様に燃料がほんの僅かなのですが滴っているのに気が付きました。指で受けてみると明らかにオイル混合のガソリンです。これは危険です。まず燃料ホースを外して燃料をカットしました。滴り落ちた部分は布バケツで水を汲んで洗い流しました。落ちている量はごく僅かなものなのですが、念の為に長命寺港の港外でアンカーして、エンジンカバーを開けて調べることにしました。長命寺港に近づくと、エリと浮標の間から南に向けてアンカーに適した場所があるのでそのあたりで、ジブを降ろしました。山陰に入り風もめっきり落ちて穏やかなので、アンカーを降ろすのにちょうど良い具合です。

バウにアンカーを準備し、アンカーロープのエンドはジブのセルフタッキングトラベラーの基部に結びました。ヘルムをワイフに任せて徐々にアンカーロープを伸ばします。約20mほど出したところで艇が止まりました。底の状態は泥か砂なので、風も弱いこともあり、特に食い込みの確認はしなくても大丈夫でしょう。メインセールはブームの上で纏めました。

風が無いと途端に暖かくなりウィンドブレーカーを脱いで半袖シャツにならないと暑いくらいです。まず、エンジンカバーを外してみました。古くなったオイルの塊のような小さな斑点が何ヶ所かに見えます。念のためにティッシュで拭き取ってみますが、乾いた状態でほとんどティッシュが汚れません。30分ほどのうちに殆ど気化してしまったのでしょう。その後、どこからも漏れはないようです。念のために暫くカバーを開けたままにして完全に乾燥させてから燃料タンクを繋ぎ、エンジンの始動を確認することにしました。

この間に食事にしました。琵琶湖の周辺の桜は、1週間から10日くらい遅いのが普通です。この長命寺港の周りではまだ散り始めたところで湖岸の道路沿いの桜並木は十分楽しめます。

食事の後で、船外機のカバーをはずしたまま、エンジンのテスト始動を行うことにしました。ちょっと緊張しています。一度、燃料ホースを外しているのでスターターロープを引っ張っても2度起動に失敗しましたが、3度目には極自然に掛かり、エンジン音にも振動にも何の問題もなくアイドリング状態になりました。見る限り何処にも漏れは見られません。暫くアイドリングを続けましたが、変化はありません。安定して回転しています。一安心です。昨年夏に同様のケースがあってYAMAHAにチェックして貰ったときの結論は「キャブレータの中に多少残る燃料がチルトする事で漏れるケースで危険は無い」ということでしたが、今回もこれだろうと思われます。

志賀ヨットクラブの所属艇が3艇、長命寺港に入って着岸しました。どうも今晩はそこで泊まるようです。こちらは、風も殆どないので、志賀ヨットクラブへ帰ることにしました。この風さえ良くなってくれたらスタボータックのアビームで直行出来ます。

途中、カワウではないかと思われる黒い大型の水鳥のものすごい大群(何百ではなくて何千と思えるくらいの数)に出会いました。その群れの中に艇が入り込んで、艇の周りだけ空間ができて大きな鳥の輪で囲まれたようになってしまいました。余りの数に圧倒されて、ちょっと不気味でした。ヒッチコックの鳥を思い出してしまいました。

15時ちょっと過ぎに、寄港しました。

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bullet沖島北端往復、12時前から強風白波、りーフして快走

1997年3月20日(木曜日、春分の日)

2月は一度も出かけられませんでした。やっと少し暖かくなってきたので先週あたりから乗るつもりでいたたのですが、前の土曜日は冬型の気圧配置で季節風の強い吹き出しがあったのでパス。今日はやっと穏やかな天気になりそうなのでワイフと二人で出かけることにしました。

コクピットの真ん中にハンディGPSを取り付けるバーを工夫しました。木製のバーを渡してそれにGPS取付用ブラケットをネジ止めしてあります。ブラケット以外は自作の試作品ですが、これでうまくいけば塗装して本格的に取り付けるつもりです。今日はこれと一緒に、新しく購入したライフスリングや工具箱等も一緒に持って行きます。

3月8日にJRのダイヤが改定されて尼崎駅に新快速も快速も停まるようになりました。JR塚口は何時もと同じ電車だったのですが、このダイヤ改正のお陰でタイミング良くい尼崎駅で一つ前の15分ほど早い長浜行きの新快速に乗り換えることが出来ました。京都では目の前のホームに湖西線の各駅停車が待っていて、和邇駅には何時もより15分ほど早く着きました。

和邇駅から志賀ヨットクラブへ向かう農道から見る比良の山並みの雪は、今年はぐんと少なくて山頂付近の谷筋にわずかに残っている程度です。去年の4月末に近い状態です。
志賀ヨットクラブは閑散としていました。すぐに艇を降ろしてもらい、船外機の始動。使わずに寒い冬を越した割には調子良く一発で掛かってしまいました。
今日の目的地は沖島、9時40分出港。

出港直後の湖岸では微風のように思えるのですが、北〜北西の風の場合は比良山脈の陰になって風が弱まっているケースです。近江舞子沖から白鬚沖あたり、その辺りから南東に向かって仮想のラインが引かれていて、そのラインの向こうは北〜北西の風の通り道になっていて強風域です。今日もこの状態で、東に向かうにしたがって風が強まります。
気温も10度以下で風が相当ありますから体感温度はかなり低めで寒いです。ワイフは上はダウンジャケット、下はフリースのタイツの上にGillのオイルスキンのトラウザーを着用。私はフリースの上下にトラウザーを着用。


私はフリースの上下にトラウザーを着用


観測塔の北側を越したあたりで風ははっきり北寄りになり強くなってきたので、風にあわせて沖島北端を躱すくらいの角度の上りコースを取りました。白波も見えてきたので早目にリーフします。リーフしてヒールが少なくなり走りが安定したところで早目の昼飯にしました。

昼食が終わった11時45分頃から、風は徐々に強まり白波が多くなってきました。クローズホールドでのスピードがリーフしているにも拘わらず速い時には13km/h前後になります。30feet以上の2艇が後ろか同じ角度のタックで上って来ます。フルセールですが大きくヒールして時々メインセールの風を逃がしながら走ってきます。さすがに長い艇は速いです。
沖島北端を回り水道を南下して帰ってくることも考えましたが、今日はこのままタックして上りのコースを反対に辿ってリーチングで帰ることにしました。

良い風が吹いているのでリーチングでは面白いようにスピードが出ます。波に追いかけられながらラダーを取られないようにしかり握って操船に専念します。

観測塔を南に見て通り過ぎ、志賀ヨットクラブに後3kmという辺りに近づくと、比良山脈の山陰に入り風はすっかり弱まりました。まるで定規で線を引いてその向こうは微風域、こちらは強風白波域と面白いくらいはっきりと状況が違います。

風が一気に弱くなったので、セールを降ろし片付けながら機走で帰ることになりました。
15時5分、帰港。

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bulletDIY店で工具箱と工具など購入

1997年1月18日(土曜日)

自宅近くのDIY店で、工具箱と工具(ドライバーセット、ペンチ、プライヤー、モンキーレンチ、巻尺)、CRC5-56、GPSブラケット取付け用の板とボルトナット等を購入。

GPSブラケットを取付ける板の試作。今度乗艇する時に実際に試してみてOKなら、塗装やコクピットに取り付ける際のラバーパッキングなどを工夫するつもりです。

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bullet今年最初のセーリング、比良は雪景色

1997年1月16日(木曜日)

ワイフが休みを取れることになったので、それに合わせて私も有給休暇を取って琵琶湖へ出かけることにしました。天気は穏やかで季節風の吹き出しもないという冬にしては珍しい日和です。天気が良いのは結構なのですが、風が無さそうなのでセーリング日和とはならないかもしれません。

例年通り年明けの2日と3日の両日、志賀ヨットクラブはオープンしていたのですが、2日の午後から冬型の気圧配置になり強い冷え込みと強風の予報が出ていたのでヨットは中止にしました。クラブは9日からは通常どおりの営業に戻ったのですが、11日(土曜日)はワイフの勤務の都合で出かけられませんでした。そんなことで、今年は今日が初乗りということになりました。

いつもの電車とは1本遅い、大阪駅8時31分発の快速(湖西線永原行き)で和邇まで直行。10時前に志賀ヨットクラブに着きました。
さすがに冬の平日ですから誰一人ヨットに乗りに来る人はいないとみえて静かでひっそりとしています。それでもヨットクラブ内はきれいに掃除が行き届いて気持ちが良い。スタッフは二人だけのようです。

天気はほとんど快晴と言っても良いような晴れ。風は南〜南東の微風。微風ですが安定して吹いているので、遠くまで足を伸ばすことは出来ないでしょうがセーリング練習には快適そうです。湖上にセールの影は全くありません。比良山脈の稜線は雪景色です。気温は7度。防寒対策をしっかりとして、二人ともフリースの上下の上にGillのオイルスキンのトラウザー着用します。

このくらい着込んでも寒い
このくらい着込んでも寒い

クローズホールドのタッキングで琵琶湖大橋を目指します。風が安定しているのでそれなりの艇速が維持できて、安心して練習できる条件です。今日はワイフのタッキング練習ということになりました。
タッキング前のクローズホールドの走りがアバウトだったり、艇の回頭がゆっくりすぎたり、タッキング後の艇の方向がぴたりと決まらなかったり、タッキング時に背中に回した手でティラー・エクステンションを持ち直すタイミングがうまく行かなかったり等々、細かく欠点を指摘すれば色々ありますが、一応手順としてはスムーズにこなせるようになってきて自分で艇をコントロールすることが楽しそうです。

今日は私は殆ど何もせずに見ているだけだったので気になったことなのですが、微風でのクローズホールドでのタッキングの際、トップバテンがバックステイに掛かってリーチが完全に返らない場合があることです。バックステイを強く締め込んでマストのトップを少しベンドさせてやれば引っかからずに返るようです。微風でバックステイを緩め気味にした時には、メインセールのリーチ側に手を添えて揺するようにしてトップバテンを返してやる必要があります。

琵琶湖大橋に近付く
琵琶湖大橋に近付く

12時20分、琵琶湖大橋直下に近づいたので、ジャイブして志賀ヨットクラブ沖をを目指します。2m/sほどの微風でのランニングなので、見掛けの風はほぼ無風に思えます。

比良の稜線には雪
比良の稜線には雪

志賀ヨットクラブ沖が近づいてきたところで、東から少し良い風が吹いてきました。

再度クローズホールドのタッキングの仕上げ練習をしようと艇を東に向けました。暫くその辺りで練習を重ねて、14時30分、セールを降ろして帰港することにしました。
15時丁度、帰港。

その後上架してから、ソーラーチャージャーの取付金具を左舷に取り付けてみました。しかし、セイリング中は外しておかないとデッキ作業の邪魔になります。取り外しを簡単にする方法を考えないといけません。GPSを取り付ける場所を考えることも必要。艇に直接取り付けるより、たとえばコクピットの真ん中辺りにGPSを取り付けるバーのようなものを据え付けてみたらどうか等という案を考えました。
今後検討と作業が必要です。

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